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第三話:プロフィール作り
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カザリは、わたしのブログを見てくれたかしら?マッチングアプリは、プロフィール写真と自己紹介文の出来でほぼ決まるのよ!」
カザネ姉は、ちょっと得意げに胸を張る。
「ちゃんと見たよ。マッチングアプリは第一印象が大事なんだよね。」
「ちゃんと勉強しててえらいじゃん。じゃ〜自己紹介文はどんな風に書くか、少しは考えたの?」
「うぅ〜ん、自己紹介文って、何を書けばいいのか全然わかんないよ〜!
好きな食べ物はカップラーメン、趣味は昼寝…こんなの書いたら引かれちゃうよね?カザねぇ、どうしたらいいの〜?」
カザリは机に突っ伏し、頭をポンポン叩きながら大げさに悩んでみせる。
カザネ姉は涼しい顔で苦いコーヒーをすする。
「無理して飾らなくていいけど、良いところはちゃんと出していこう。たとえば“簡単料理が得意”とか、“人の話を聞くのが好き”とかね。」
「……趣味のところに“妄想”って書いちゃダメかな?(真顔)」
「……やめなさい。」
ピシャリと言われ、部屋の空気が一瞬ピリッとする。
「本気でやる気あるの?ないならわたしは協力しないよ。」
「カザねぇ、ごめんなさい!ちゃんとやるから協力してください!」
慌てて両手を合わせるカザリ。
カザネ姉はため息をつきながらも、視線はやさしい。
「い〜いカザリ。いい出会いを見つけられるかは、あなたの本気度で変わってくるのよ。自分が本気でなければ、相手も本気になる訳ないじゃん。それで幸せなんか掴めないわよ!」
「わかったから、一生懸命やります!」
「分かればよろしい。でもね、いくら本気でも眉間にシワを寄せて怖い顔でやってたら嫌でしょ?だから、楽しい気持ちで自己紹介文を作っていこうよ!」
カザリは口を尖らせて考え込むが、やがて小さく笑って言った。
「楽しく…か。」
少し間をおいて、言葉を続けた。
「ねぇカザねぇ、なんでそんなに元気で明るいの〜?」
カザネ姉は笑顔で答える。
「それはね、心に余裕があるからだと思うの。小さなことでも『ありがたいなぁ』って自然に思えると、心に余裕が生まれて軽くなるんだよ。恋も同じでね。いい恋は健康にだってプラスになるんだから!」
「えっ、恋と健康が関係あるの?」
「もちろんよ。いい恋をしていると毎日がキラキラしていて、生きてることが楽しくなるでしょ。
それって心も体もすごく健やかでいられるの。それにね、若い頃の失敗談はずっと“笑いのネタ”として使えるから、長く付き合ったり結婚したあともいい思い出になるのよ。」
「たしかに…」
「人と付き合うって、例えばこんな流れ、よくあるでしょ?」
1️⃣ 相手に興味をもつ
2️⃣ LINEなどで連絡を取り合う
3️⃣ デートをする
4️⃣ 相手のいいところを見つける
5️⃣ 好きになって付き合う
6️⃣ 慣れてくる
7️⃣ 相手の嫌な部分が見えてくる
8️⃣ 好きな気持ちが薄れる
9️⃣ 一緒にいるのが億劫になる
🔟 別れる
「……このサイクルを何年も、何十回も繰り返したらどう?疲れるに決まってるわよ。だから数より質!自分に合った恋を見つけることが大事なの。」
「でも、やっぱり人って変わっていくものだよね?」
「うん、たしかに。どんなに頑張っても上手くいかなくなることはあるの。だからこそ“選び方”と“続け方”が大切なのよ。
わたし自身、夫には言わないけど(笑)、結婚して何年経っていても優しいし、今でも好きなの。明日のことはわからないけどね。
でもね、安心しきっちゃってもダメ。ドキドキがないと恋は冷めちゃうから。夫婦でも少し緊張感がある方がいいのよ。『親しき仲にも礼儀あり』って言葉があるでしょ?あれ、ほんと大事なの!」
カザリは目を丸くし、ぽつりと呟いた。
「なるほど〜!さすがカザねぇ。結婚して今でも好きって…ほんとに素敵!」
カザネ姉は少し照れながら、すぐに茶化す。
「ふふっ、自分でもいいこと言っちゃったな〜。よし、ご褒美にあとで200円の高級アイスでも買っちゃおうかな♪」
カザリはすかさず突っ込む。
「わたしのも忘れずに!」
部屋には二人の笑い声が響き、重かった“自己紹介文の悩み”も少し軽やかになっていた。
プロフィール実践作り

よしっ、そろそろプロフィールを記入していこうかな〜!
カザねぇ、プロフィールってどんな項目があるの?たくさん書くことあるの〜?



プロフィールは“自分はこういう人間です”って相手にわかってもらう資料みたいなもの。嘘はNG、でもあえて自分の悪い癖なんかを書く必要はないわよ。
大事なのは、“この人と話してみたい”“馬が合いそう”と思われること。じゃあ、一緒に作っていこうか!
基本情報



まずは基本情報ね。ニックネーム(本名でなくてOK)、年齢、居住地、職業、学歴、年収、身長、体型…この辺りはサクッと埋められるわ。



ニックネームは“ジュリア・ロバーツ”です!『プリティ・ウーマン』めっちゃ好きだったから一度言ってみたかったの〜!



やめなさい(笑)。可愛すぎると逆効果。普通に“カザリ”でいいの。



体型のところ、正直に書くのちょっとドキドキするなぁ。わたし太ってる?



ほとんどの項目は選択式だから大丈夫。細かく考えすぎなくても、正直にチェックするだけでいいのよ。むしろ悩みすぎて変な表現をしちゃう方が損だからね。
ライフスタイル



次はライフスタイル。休日、お酒、タバコ、同居、結婚歴、子どもについて。



休日は“だいたい寝てます”!



それだと印象が悪いでしょ。“カフェ巡りや散歩を楽しんでます”くらいにアレンジしなさい。



タバコ…“吸ったり吸わなかったり”って書いてもいい?



吸わないんだから、かっこつけなくていいの!(笑)
趣味・性格



ここからは個性が出るところ。趣味、好きな食べ物、性格ね。



趣味は“昼寝と妄想”で決定!



だから妄想はやめなさい(笑)。“映画鑑賞”や“旅行”って広く共感されやすいワードに変えて。



じゃあ好きな食べ物は“カップラーメン”!



そのままだと生活感まる出し…。 “手軽な料理アレンジが得意”って言えばユーモアも残せるでしょ。
恋愛観・価値観



結婚に対する意思は…“すぐにでも!”



重すぎる!(笑) “2〜3年のうちに”くらいにしておこうね。



出会う目的は“王子様募集中♡”!



怪しいプロフィールか!(笑)。“恋人を探しています”が無難よ。



理想の関係は“甘やかしてくれる人”!



“お互いを尊重し合える関係”って書きなさい!
自己紹介文(まとめ)
「うぅ〜ん…こうして実際にプロフィールを作ってみると、自分のことって意外とわからないものね。カザねぇがいてくれるからスラスラ書けるけど、一人だったら絶対悩んでたと思う。」
「それはね、ちょっとコツがあって。“ジョハリの窓”って心理学の考え方があるからよ。」
「ジョハリの…窓?」
「そう。4つの窓で人の自己理解を表すの。」
たとえばね――
自分も知っていて、他人も知っている部分。いわゆる“開放の窓”。これは誰もが共有できる自分の特徴。
それから、自分は知らないけど他人は知っている部分。“盲点の窓”って呼ばれるの。人から指摘されて初めて気づく自分の一面ね。
逆に、自分は知っているけど他人は知らない部分。“秘密の窓”。心の中にしまってある自分。
そして最後に、誰からもまだ見えていない未知の部分。“未知の窓”。未来の経験で開かれていく可能性の領域よ。」
「へぇ〜!そんなふうに分けられるんだ。」
「プロフィール作りで大事なのは、この“自分は気づかないけど他人は知っている部分”。だから一人で書くより、誰かと一緒に考えた方が、本当の自分が出やすいのよ。」
「なるほど〜!だから二人でやると、意外とスラスラ進むんだね。」
「そうなの。心理学で“ジョハリの窓”ってあるんだけどね。要は“自分では気づかない自分を、他人はちゃんと見てる”ってことなのよ。」
「へぇ〜!なんか心理学っぽい!でも確かに、カザねぇが横で突っ込んでくれるから“わたしらしい”って出てくる気がする。なんか楽しいね!」
=====全部記入できた=====
「じゃあ、いったん書いた内容を見直そうか。ほら、こうやってまとめるとプロフィールシートになるでしょ。」


プロフィールの入力を一通り終えた二人。
ふざけたり笑ったりしながらも、なんとか全部埋め終えたシートを見直している。
「おぉ〜!なんかちゃんとしてる!ふざけてたのに、すごく“わたしらしい”プロフィールになってる〜!」
「これなら安心感も伝わるし、会ってみたいと思ってもらえるはず。」
「ふぅ〜!全部埋まったね!なんか達成感ある〜!」
「じゃあ次は…どこのアプリに登録するか、考えていこうか。例えば、PairsとかwithとかOmiaiとか、いろいろあるのよ。」
「おぉ〜!いよいよ始まるって感じだね!」
――第4話、つづく。
📖 カザリの恋活日記シリーズ
👉第一話はこちら:わたしはカザリ、26歳
👉第二話はこちら:実家でカザネ姉に相談
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