「カザリの恋活日記」第二話

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第2話:「実家でカザネ姉に相談」
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休日の午後。
久しぶりに実家へ帰ったカザリは、玄関を開けた瞬間、慌ただしい足音とともにカザネ姉に迎えられた。

「えっ、今日だったっけ!? 来週だと思ってた〜!」

「ちょっと、なに言ってるの。LINE見せよっか?」
カザリがスマホの画面を突きつける。

「うわ〜ほんとだ。」

「もう〜、そういうとこあるよね、カザねぇは!」

「ま、いいから上がんなさいな。父さんも母さんもいるよ」

――久々の実家は、昔と変わらないぬくもりが漂っていた。


家族の小ネタ

「え〜お父さんいるの?どうしようかなぁ。会うと細かく聞いてくるから正直ちょっとウザいんだよね」
カザリが小声でぼやく。

カザネは肩をすくめて笑った。
「久しぶりに会ったら、お父さんも嬉しいんだよ。普段あまり話す人じゃないからさ。だから嬉しくて、つい質問攻めしちゃうの。ちょっとめんどいのはわかるけど、少しは理解してあげな」

「……わかってるけどさぁ。なんか受けつけない時あるんだよね」

「最近ね、母さんが言ってたよ。お父さん、洗面台にやたら長くいるらしくて、こっそり覗いたら、鏡見ながら『薄くなってきたな〜』ってつぶやいてたんだって。落ち込んでる時あるらしいよ」

「なにそれ!ウケる〜。モテたいのかね」

「そう言わないの。本人が一番気にしてるんだから、このことは言わないように!」

二人でくすくす笑っていると、今度は母の話題に移った。

「そういえばカザねぇ、この間お母さんの誕生日に高級料理店に連れてったでしょ?沖縄旅行までプレゼントして。だいぶ差つけてたよね〜」

「だって母さん、ずっと頑張ってきたじゃん。父さんの誕生日には手紙とプレゼントで号泣させといたから、バランス取れてるって」

「そういえば、この間お母さんが電話してきて、カザねぇと一緒に行った沖縄旅行の話をしてきたよ〜。とても楽しかったらしく話が止まらなかったよ。」

🌺母とカザネ姉が沖縄へ🌺
 現地でゆっくりしながら、昔話しに花が咲く。
 母は、旅行中の夜にぽつりとカザネに尋ねていた。

「ねぇ、カザネ……なんであんた、親と同居する気になったの?」

少し間をおいて、カザネは静かに答えた。

「……就職したときは一人暮らしを始めて、あのときは自由で楽しかったよ。でも結婚して、これから家族を築くってときに考えたんだ。やっぱり母さんのそばで暮らしたいなって」

「それはねっ!母さん、中華屋さんで働いていたでしょ。子供たちだけでお昼ごはんを食べに行ったときに、汗だくになって働く母さんを見たんだ。今でも覚えてる。一生懸命に働く姿を子どもながらに“私も頑張らなくちゃ”って思えたし、今の私があるのは母さんのおかげなんだ」

母は涙ぐみながら笑った。
「……そんなこと、覚えてたのね。お母さんも必死だったのよ、子どもたちのためにって」

カザネは穏やかに頷いた。
「うちは家族が多いから、食費や教育費で本当に大変だったと思う。私は子どもながらに、それを感じてた。だから、同居は自然な選択だったの。恩返しってほどじゃないけど、そばにいて安心させてあげたいし。旅行くらい当たり前。気にせず楽しもうよ」

母は涙ぐみながら、笑顔で頷いた。
「ほんとに…..いい娘に育ってくれたわね」

後日、その旅行の話を母がカザリに電話してきた。
「カザネと二人で行けて、本当に幸せだった」――声は弾んでいて、カザリまで笑顔になった。
「さすが、カザねぇだね。やっぱり、すごいよ」


相談シーン

お茶を飲みながら、カザネがふいに切り出した。

「そういえばカザリ、なにか相談があるって言ってなかったっけ? まさか……子どもができたとか!? 結婚するとか!? どうなのよ!」

「ちょっと!なに勝手に盛ってるの、ハヤトチリのカザネ姉さん!」

ふたりで笑い合ったあと、カザリは少し真剣な顔になった。

「……大したことじゃないんだけどね。仕事も慣れてきて、お金も少しずつ貯まってる。だけど休みの日がダラダラでさ。結局、月曜が余計にしんどいんだよね。土日に何か始めれば変わるかなと思うんだけど……どうすればいいのか分からなくて」

「ふふ、そういうことか〜。土日の充実ね。何か趣味とかないの?」

「休みの日はアニメばっかり見てるよ。新しいアニメは声優さん当てたりして楽しんでる」

「アニメもいいけど、新しいことを始めるなら逆のことしてみたら?
今:部屋の中+ひとり
提案:外に出る+ふたり

友達でもいいけど……カザリ、彼氏とかいないの? もしくは好きな人とか〜?」

カザリは目をそらして答えた。
「いないよ……。高校のときに相談した彼氏以来」

「……あぁ、あの“面白彼氏”ね。向こうから付き合ってくださいって言ってきたのに、学校じゃ話しかけてもこないし、部活がそれぞれあって帰り時間も合わないから一緒に帰ることもなくて、LINEがたまに来るくらい。学校の帰り道に手を繋いで一緒に帰るとか『青春らしい手つなぎデートもほとんどなかった』って言っていたような」

「そう、その人!三ヶ月くらいで自然消滅しちゃった。付き合ってたって言えるのか微妙なくらい」

「こりゃ〜ちょっと大変だな。あまりのも経験が少なすぎると騙されたり、好きになりすぎて相手に依存しすぎちゃうのも困るしね。まぁー経験が多いからと言ってうまくいく訳ではないけどね。恋愛って奥が深いのよ。
でもね、自分に合った人とか、自分にとって心地いい距離感の付き合い方ってあるから。見つけられるといいね」

「カザリは、もし彼氏ができたら…..カザリは何をしてみたい?」


次へのつなぎ

カザリは唇を尖らせて、ちょっと子どもみたいに言った。
「わかんな〜い!どうしたらよいか、話しかけた方がいいか、LINEを待っていた方がいいか……わからないの。だから、カザねぇ教えてください!」

カザネは、カザリが真面目に答えたので優しく笑いながらも、少し真剣な目をした。
「ふふ、やっぱりね。そういう時は焦らず、小さな一歩を大事にすること。
たとえば、今日はいい天気だから、一緒に公園を散歩しよう!と気楽な感じで誘ってみたりするのも楽しいデートなんだよ」

「恋の初心者は、マッチングアプリを利用するというのもアリだと思うよ」

「なにそれ……でもさ、マッチングアプリって怖くない、どんなものなのっ?」

「それなら、私がやってるブログ“カザネ+”に『初めてのマッチングアプリの始め方』の記事を載せてるから、これを読んで勉強してください!」

「ブログまでやってるの!?さすがカザねぇ……」

カザリはふっと笑いながらも、胸の奥が少し高鳴っているのを感じていた。
「……なんかちょっと、ワクワクしてきたかも」

――第3話、つづく。

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